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医薬品流通経済研究について

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prof.jpg医薬品流通経済について
医薬品の世界は、ソトの人にとってはよくわからないものだと思う。

例えば、某銀行から製薬企業の社長になった知人の話をしよう。
最初の取締役会で、この会社の薬の値段(薬価)の会議があった。
担当役員は、「わが社の製品に高い薬価がつきました」と鼻高々に報告する。これを聞き、「販売価格が高いからよく売れる」という論理そのものに唖然とした。
この業界の人は、薬価が高いということが至上命題であることを露ほども疑わない。
同様の製品であれば、価格競争力が問題になる。通常、安い方が売れる。
問題の一部だけをいえば、公定薬価制度の必然の欠点ということになる。
こうした業界の「常識」は。開発、製造、流通、販売のシステム全体に広く、深く蔓延っている。
筆者の狭い知見では、この異様さをチャント論じたものはあまり多くない。特に、業界のあらゆる分野で、当然のように高コスト体質であることを真正面からとらえ、何とかしたほうがよいのではないかという具体的な「研究」も多くない。

この業界も、医薬品卸売業が事実上4つのグループに集約され、流通コストが画然と下がりつつある。特許切れの製品(後発品、ジェネリック)も市場の中でそれなりの比重をもつようになってきた。医療現場でもDPC、国立大学の独立行政法人化に伴う大学病院の使用薬剤の変化(アイテム数の激減)がある。
院外処方箋が普及し、調剤薬局は、今や5万を超え、3万6000といわれるコンビニよりも1万5000も多く、グループ化、集約化が進むことは必然といわれる。
ドラッグストアは、登録販売者の登場により、一般の流通業から厳しい競争を挑まれつつある。

このサイトは、異様な商習慣を長年漫然と続けてきた医薬品業界に関し、今の動きと将来という通常の学問ではあまり相手にしない分野を精々学問的にアプローチしてみようというもの。
数少ない賛同者の方々の大学での講義録や資料、読んでいただいている方々からは、辛口といわれるコラムといったことがこのサイトの内容。

折角あるので、学生に対する試験課題といったことにも活用させてもらっている。
この業界が通常のビジネススタンダードである程度語ることができることが身の程知らずの願いです。

角田 博道(すみだ ひろみち)

略歴

広島県出身
東京大学法学部卒
厚生省(現厚生労働省)保険課長
ベンチャーキャピタル常務取締役
病院チェーン管理責任者(3000床)
現職

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