医薬品流通事情_Colamn_Pharmacoeconomics | 医薬品流通経済研究

医薬品流通経済研究

TOP I about us I contact I
印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |



All Rights Reserved,Copyright(c) 2009 Hiromichi Sumida

HOME > Column医薬品流通事情 > Column_医薬品流通事情01

LinkIcon前のページ へ

医薬品流通事情-日本とタイ 01

ここ2年間、タイの医薬品流通事情を中心として、「研究」してきた。
この国については、驚くほど情報がない。
同じ時期、台湾の事情も調べた。
台湾は、日本が植民地統治を行い、戦後、少なくとも、医療費保障制度は日本の後追いする形で形成されてきた(いわ
ゆる一元化=制度の一本化については、日本より早い)。
この地域の政府の統計、諸論文はしっかりと整備されているところが多く、台湾からの研究員も1年間でサッサと研究
を終え、帰国した。
タイは、3人目の研究員にも関わらず、しっかりと制度、実情が把握できない。
これから、何回も似たようなことを書くと思うが、タテマエとホンネが乖離した不思議の国といってよい。
これらのアジアの国を調べてみようと思ったのは何故か。
別の稿でも書いたように、日本にはジェネリック企業(日本でしか売れない)が50社以上もある。
医薬品は、世界商品。
であれば、トヨタの車がどこの国でも走っているように、少数のメーカーに収斂していくはずだ。
根本の問題意識は、何故、沢山の企業が survive できているのか。
沢山の企業がそれなりに生計を立てられるのは奇異ではないか。
アメリカでは先発品対後発品の戦いの末、先発医薬品企業の数も絞られたが、ジェネリック企業の数も少ない(当然、
1企業の規模も大きく、multi のビジネスを行っている)。
アジアではどうだろうか。
いくつか調べてみると、アジア諸国には、いわゆる先発品メーカーは皆無なのにジェネリック企業が沢山ある。
調べてみよう。

で、タイという国について、基本知識。
タイは、英語ではKingdom of Thailand。
タイ国政府観光庁のweb-siteでは、「タイシルク」、「微笑み」、「優雅な古典舞踊」、「発展する東南アジアの中心地バンコク」、
「ワイと呼ばれる合唱と笑顔はいつでも皆様をもてなしてくれるでしょう」などとある。
最近の出来事では、2008年12月の空港占拠事件、2009年4月のアセアン会議の際のデモ隊乱入事件など、ど
ちらかといえば、歯をむき出していがみ合うといったものが国際社会の印象になりつつある。
空港占拠事件では、空港利用する外国人に対し、「不便は我慢するべきだ」といったことが報道され、観光立国のこの国
のイメージが急激に下がっているようだ。
最近の2つの事件の前後、偶々、タイを訪れていた。
12月の空港事件では、旅程を取りやめるつもりでいたところ、空港の運用再開第1日目の第1便に乗ることとなった(空
港が再開されない限り、自動的にキャンセルということだった)。
当然のことながら、乗客は殆どいない(合計で30人もいただろうか)。
空港に到着すると、何事もなかったかのような雰囲気。
ただ、ホテルは違った。
閑散としている。
朝食時(年のせいか、早く起きてしまいますが)、筆者以外誰もいないという状態だった。
こうした事態の前の状態は知っていた。
タクシン派は赤シャツ。
反タクシン派は黄色のシャツ。
黄色は月曜日の色だ。
で、なぜ黄色かというと国王の誕生日が月曜日で、国王への敬愛を表すためにこの色を着る。
これはタクシン元首相が国王を敬愛していないという噂があり、国王の色を着ることが政治的に反タクシンであること
を示すことになるというロジック。
この頃、バンコクの町を歩くと、月曜日などは黄色で溢れかえっていた。
事情に疎い外国人などが赤シャツを着ようものなら、白眼視されるといった事態。
こうした状態であったものが、騒ぎが収まると黄色シャツの着用率が激減してしまう。

LinkIcon前のページ へ

ページの先頭へ