医薬品流通事情-日本とタイ 02
この国の医薬品流通事情を調べていると、up-countryという言葉がよく用いられる。
地図を思い浮かべていただく。
マレー半島のタイ領のことを考慮に入れないと、バンコク湾に面した首都バンコク地域がタイの南部分を占める。
その北部がバンコク以外という意味で、up-countryと呼ばれる。バンコクは、英語名のBangkokで地元の人々もそういい慣わし ている。
このタイ語の正式名称は、ひどく長い。
タイ語はサンスクリットから派生してきたといわれ、日常的な言葉でない、正式名称的な用語は、今でも見る人がみればサンスクリットが使われているとわかるらしい。
で、タイ語の正式名称を英語で表記してみると、次のようになる。
The city of angels, the great city, the eternal jewel city, the impregnable city of God Indra, the grand capital of the world endowed with nine precious gems, the happy city, abounding in an enormous Royal Palace that resembles the heavenly abode where reigns the reincarnated god, a city given by Indra and built by Vishnukarm.
タイからの研究員に、英語にしてもなかなかわかりませんよとはいわれていたが、ホントーにわからない。
困ったときのwikipedia。
要するに、「偉大な天使の都」ということだが、それを後置修飾しているものが長い。
「インドラ神がヴィシュヌカルマ神に命じてお作りになった、神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、インドラ神の戦争のない平和な、インドラ神の卓越した宝石のような、偉大な天使の都」
タイ語の行政上の地名は、クルンテープマハーナコーン。その略称のクルンテープがよく使われるとのこと。
これも研究員に確かめたところ、タイ人どうしでは、バンコクという言い方はしない。タイ語の会話では、「クルーンテープ」という。
ついでに、何故、バンコクということになったかについては、アユタヤ王朝時代、この地の要塞に駐屯していたポルトガル傭兵団が地名を現地人にたずねたところ、「バーンマコーク」(オリーブに似たウルシ科の木)という名前が返り、それが訛ったとされる。
これを漢字で書くとどうなるか。
タイは華僑(中国人)との融合が最も進んだ国といわれ、現在は、第3世代だが、今でも中華街などを歩くと、「曼谷」、「盤谷」と言った表記を見かける。