ジェネリック医薬品の価格 02
三津原氏のプレゼンテーション資料に戻る。
費用構造分析①
ここに示されている二つのグラフは、誰でも分析できるのに誰もやらず、「自らの価格構造についての自覚症状がない」ということの典型的なものだ。
いちいち資料編に目を通すのがメンドーだという向きのために、再掲する。
これは、新薬とジェネリック医薬品の価格構造を示したもの。
小売段階と卸段階では、「絶対額で同額でなければ取り扱われない」ということがわかる。
別の稿でも触れたように、100円の医薬品のマージンが6.5%であるとすれば、同等のジェネリックは、50円の医薬品のマージンを13%にしなければならない。
100円の新薬を取り扱うのに卸は6円50銭を受け取る。
50円のジェネリックを取り扱うのも同様に6円50銭受け取る。
流通過程では、各当事者はマージンの絶対額が同等でなければ取り扱わない。
当然のことだ。
自らの利益の絶対額を減らしてまでやるプレーヤーはいない。
この分析は、次のようにいうこともできる。
ジェネリック医薬品と新薬との価格差のほとんどは、その他費用とされている販売管理費とR&D。
意外なことに、製造原価では有為な差がないといってよい。
傍論から始めると、日本のジェネリックの製造原価は高い。
そのため、新薬とジェネリックとでは製造原価にあまり価格差が無いという結果となる。
三津原分析によると、新薬の製造原価=26.0、ジェネリック=19.0。
これは、絶対額ベース。
ということは、パーセンテージでいうと、ジェネリックの場合38%もの費用がかけられている。