ジェネリック医薬品の価格 16
この場合のMR営業はどういう形になるか。
少なくとも5~6年公定薬価が下がらないのであれば、医療機関に対し一定のマージンを出し続ければよい。
とすると、最初の薬価交渉での実売薬価(医療機関に一定の差益を与える)という構造でよいはず。
医療機関は、「薬価改定があれば2年おきに公定薬価が下がるはずなのでもっと差益をよこせ」というだろうか。
これまでの商慣習から考えて、そういうことは起こらないような気がする。
余計なことを詮索すると、この5~6年の当該医薬品に関するMRさんの仕事は一体あるのだろうか。
公式見解とは異なり、MRの実際の業務の重要部分は価格交渉。
この際、計算上不要になったMRさんはカットしていってみてはどうか。
MRの費用も医療費。
これがカットされていくのは最終的には結構なことだと思う。
ともあれ、こうしたことの結果をみるには、少なくとも5~6年は生きていなければならない。
どうなるか、楽しみ。
このグラフには、青い部分で薬価改定猶予分というところがある。
これは、これまでどおり薬価改定ルールを当てはめればというもので、この青い部分はあくまでも理論値。
役所の目からみると、新しいルールを適用したときの医療費(薬剤費)増大分ということになる。
役人をやっていると、新たな施策をやるとなると、どこからその財源をひねり出すかということが最も頭の痛い問題。
財源は借金、とにかくばら撒きますというどこかの党もある。
これは極めて楽だが、国家社会の持続可能性を考えると、悪魔的に無責任。
中医協資料には、役人的財源論が示されている。
こうした財源論は、概ね実態に即したもので、あまり狂うことはない。
ただ、ときとして、おおいなる「理論値」を展開することがある。
実際にはそんなに財源にならないと思っても、とにかく財源が出ますと強弁してしまうことも稀にある。
こうした強弁で捻出された財源は「真空切り」と呼ばれ、捻出したことにしようというだけのこと。
昔の話をすれば、真空切りは、大本営発表と同じ。
「大丈夫だー」という念仏にも似たもの。
国家の財政もこれを繰り返していると、ギリシャのような結果を招く。
今のような状態が続くと、破綻の日はそんなに遠くないと思う。