ジェネリック医薬品の価格 18
6ページのグラフは、興味深い。
日本の「新薬」の価格の低下率が最も高い。
これには、
ピカ新だけを大事にマーケティングしている国とそうでない国との違いがあるような気がする。
ゾロ新の場合、第三コーナーからはいったような医薬品で開発コストも大きくかけられていない(モノの発見の努力をしないでなにが開発だ!)。
こうしたものは原価が安いだけに価格維持のインセンティヴに乏しい。
国際比較の中での特徴。
アメリカでは、ピカ新であれば、そのものの力を背景に取引価格を上昇させることができる。
ホントーにいい薬をだせば、市場は大事にしてくれる。
購買側である医療機関、保険者、患者が「治癒」に効果ありと認識すれば価格応援をするという構造であるといってよい。
反面、アメリカのジェネリックはホントーに安い。
参照価格制のドイツでも若干の価格上昇がみられるのも興味深い。
反面、日本の場合、画期的新薬であっても、長年の商慣習に従い、「必ず」取引価格は下落していく。
こうしてみると、日本の場合、医薬品は効能効果をどう見るかということでなく、商慣習上では、値引き(=薬価差益を医療機関側に渡す)が常態で、価格上昇は当の本人(メーカー、卸)が想定していないことになる。
公定薬価制度の下ではやむをえないともいえるが、薬価差益という利をどう食わせるかが商売の基本では医薬品産業という看板が泣くというものだ。
中医協の資料はこれくらいにして、佐伯社長のプレゼンテーションに戻る。