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ジェネリック医薬品の価格 21
佐伯提言の最後に移る。
この提言の中、「合理的根拠」に基づく最低価格の導入というのは一見アタリマエにみえて実は難しい。
問題は、cost-effectiveな医薬品というところ。
メリハリの利いた行政が自由にできるのであれば可能だろう。
結果としてかなりの医薬品を「救済」しかねないおそれがある。
感慨深いのは、「先発品と後発品の償還率の差異の設定」。
何が感慨深いかというと、アンシャンレジーム(自民党時代)ではおそるおそるでもいえたことも、現在の体制では、配ることはあっても負担を強いるようなことはなかなかできないだろうなと思うから。
佐伯提言は、一定価格以下のジェネリックについては、患者消費者として安価な医薬品を購入し、保険財政に貢献したのだから、もう一部負担金は払わなくてもよいことにしてはどうかというもの。
ジェネリックに関しては、ありうる議論だと思う。
危惧するのは、医薬品の一部負担はなしなどという議論は、現在の体制では、ミソもくそも一緒にイメージで取り扱われ、いっそのこと医薬品すべて一部負担なし、などということになりかねないことだ。
(「高価な医薬品ほど患者の負担は重い」という迎合的なご発言が今から聞こえてくるような気がする。)
現在、当医療経済学教室では、内外のジェネリックメーカーの方々のお知恵を借りながら、ジェネリックのあり方に関するレポートをとりまとめつつある。
とりまとめたものは、迷惑を省みず、厚労省に提出してみようと思う。
経済課や医療課の方々の迷惑顔浮かぶ。
ともあれ、この稿はここで終える。
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