ジェネリック医薬品の価格 20
新薬価格×40%=ジェネリック価格ということにすると、どういうことが起こるのだろうか。
ここでは、ジェネリック企業がどうなるかを考えてみる。
三津原氏の資料では、100円の新薬の後発品の価格は50円という見方ができる。
メーカーの儲けを除くと、46円50銭がぎりぎりの値段。
かなり乱暴な数字の使い方だが、上記の数字は日本のジェネリックメーカーの原価構造。
40%ラインだと、どのような企業が対応できるのだろうか。
世界的な生産規模を有する国際的なジェネリック企業であれば対応できる。
ただし、条件がある。
- 1)
- 日本のジェネリックメーカーが現在進めている先発型のMR営業を行わないこと。
- ジェネリックメーカーがMR営業するというヘンテコな概念はおそらく日本でしか語られないこと。
- しつこくいうと、日本の医薬品メーカーの憧れのビジネスモデルは武田であり、ファイザーであるからだ。
- (日本のジェネリックメーカーは、ホントーにジェネリックのビジネスモデルなど考えたことがないのではないかと疑わざるをえない。)
- 2)
- 特許切れ1品目につき、30もの後発品という構造をやめること。
- 公正取引委員会ともよく協議いただいて、合理的な後発品数にとどめるべきだと思う。
- 高価な原末、小規模ロットという日本のジェネリックビジネスの姿はあまりにも不合理。
- 3)
- 意味の少ない後発品は認めないこと。
- 少なくとも、me-too品の特許が切れたからといって後発品を申請するということ自体、意味がわからない。
- 売れればなんでもいいのですかと尋ねたくなる。
- 人の健康に関与する医薬品という商品を扱う以上、多少の志は必要だと思う。
- 4)
- 長期収載というカテゴリーを整理すること。
- 長期収載の中には、メーカーとて嫌々生産を続けているものもある。
- ごく少数の医療機関が使っているからといって、延々と生産を強いるのは医師のエゴへの過剰な迎合。
長期収載には、擬似ジェネリックとしての転換という裏技を工夫する向きもある。よしていただきたい。ホントーに売れればなんでもするのですか。