2010/01/13
博白 02
タイから、4代目の研究員が来た。
まる3年かけて、タイの医薬品流通事情研究をしてきた。
四苦八苦して、ようやく研究の第1次とりまとめをやった。
今度の研究員には、医薬品のretailを中心に研究を深めてもらおうと思っている。
特定の領域を研究するといっても、その領域が異なった国家の中にある以上、その国そのものの理解が必要だ。
タイの医薬品流通経済を研究するなら、タイという国を知る必要がある。
アジアに属しながら、明治以来、脱亜を目指した日本という国は、ともすれば、アジア的なオリジンを忘れる。
脱亜であり、国際比較をすれば、欧米あるいはOECD諸国ということになる。
よくも悪くもお手本の国と比較することは、ある意味当然。
タイで行われるのは、東南アジア諸国との比較。
遠くかけ離れたものとの比較をしても仕方がない。
比較優位に立てるものの間でやりたい。
いろいろの見方ができる。
日本が国際比較をするとき、今、何を考えてやっているのだろうか。
最近思うことは、国際比較をやらなくなったのではないかということ。
特に、医療の世界では、点数表、薬価基準は世界基準であるかのような誤解がある。
もっとも、よその国でも、こと医療に関する限りは、極めてドメスチックな議論しかしない。
アメリカ人と議論して、何度説明しても、薬価基準の概念を把握してもらえなかったという記憶もある。
自己満足、閉塞型の思考よりも、まだ、ソトの世界との比較論をする方が健全?