流通再編 04
医薬品卸企業を志望する
2008年ではどうなったか。
会社の数は、100程度に減り、大きく4つのグループにまとめられてしまった。
どんな大きな病院でも、4つしか薬の入手経路がない。
乱戦は終わった。
学生さんの興味の対象も変わった。
私のところに出入りしている諸君の中には、4大医薬品卸企業を目指す者がいる。
流通業なら、いっそのこと、三菱商事のような商社を選ぶという者もいる。
消費者に商品の正しい情報を届けるのだといって、電通のような広告代理店に向かうという学生もいる。
「薬学」が唯一の価値というモノの見方からすると嘆かわしい?
薬科大学は、薬学の研究者の養成のためにだけ存在するわけではない。
いまや、医薬品卸業は、医薬品供給に係る社会インフラに変身しつつある。
大袈裟だが、電気、ガスといったような不可欠のビジネスになった。
文化系の就職の価値観でいえば、東京電力なみのものになった(就職偏差値?がそれ並みになるには、多少の時間がかかる)。
いつまでも、過去の価値体系にこだわり、学生の選択を苦い目で見るのはやめてはいかがか。
薬科大学に来て1年半になるが、フツーの大学(と私が思っているだけだが)のように、就職について心配することに、関心が低い。
文科系の世界では、ゼミは就職力のある教授に人気があり、学校側もそれに価値を置く。
ここは別世界。