流通再編 05
街角の魚屋さんは無くなってしまった
そもそも、といきなり大げさだが、日本の流通業は、零細、複雑、多層という言葉がぴったり当てはまるものだった。
なんでか。
例えば、今、電化製品(これ自体「古い」言葉だが)をどこで買うだろうか。
量販店と称される大規模小売店舗で。
1970年ごろは、町に必ず、商店街があり、電器屋さんをはじめ、いろんな商品を売っていた。
ちなみに、魚屋、肉屋、八百屋、果物屋、花屋、瀬戸物屋といったように、様々な店が軒をつらね、おなじみ客として、それぞれの店で買うのが当然だった。
また、こうした店は当然のように、世襲されていた。
今、いくつ残っているだろうか。
築地は、海産物の卸売り市場といわれる。
もともとは、街角の魚屋さんのためのものだった。
房総沖で獲れた魚を築地に運び、東京の魚屋さんが築地に仕入れに行って売る。
築地は、今では寿司屋をはじめとする飲食店のためにのみ機能するものに変わっている。
魚の例を続ければ、流通経路は、スーパーが産直で仲介を通さずに直接調達するということになった。
こうした変化のことを、流通革命という。