流通再編 06
今、何次?
断じて、「何時?」の書き誤りではない。
流通業界では、革命が続くために、今起こっているのが一体何次なのかと真顔で語られる。
医薬品卸の世界でも、大きくいえば、少なくとも3回は、革命があった。
第一次は、国民皆保険という昭和36年に起こった出来事。
それまでは、医療現場で使われる薬よりは、街の薬局で売られるものの方が多かった。
今、医薬品の殆どは医療現場で消費されていることを思ってみるといい。
この頃は、薬は街の薬局で買うものだった。
皆保険になり、医薬品の小売商は、薬局から開業医に変わった。
それも、処方箋なしに主として内科医開業医が直接患者に手渡すものということになった。
開業医の手に医薬品の販売が移ったとき、何が起こったか。
開業医が薬の「仕入れ」ということを知ったということだ。
卸業者から薬を仕入れ、公定薬価で売る。
薬の小売商としては、安く仕入れ、これより高く売るというアタリマエのことをやっただけ。
仕入れた値段と公定薬価の差を薬価差益という。
これは、隠れたる診療費と呼ばれたが、医薬品の小売商としては、当然のマージン。
薬局におちるべきこの膨大なマージンが消えてしまった。
頑張って、処方箋主義を貫けば、街の薬局の急激な存在感の低下は起こらなかったといってよい。