医薬品流通事情-日本とタイ 13
医師のバンコクに偏在している。
だが、病床は医師ほど偏在していない。
バンコクでは1病床あたり469人。
最も整備が進んでいない北東部で、1病床:747人。
日本ではどうなっているか。
平成19年医療施設調査。
人口10万対の病床数で最も多いのが高知県で2445.5。
最も少ないのは神奈川県で、834.1。
先のタイの統計と平仄を合わせると。
高知県は1病床あたり、40.9床。
神奈川県は1病床あたり、119.9床。
数の格差だけの議論をすると、タイの統計では、バンコク対北東部=5対3.
日本の場合、高知県対神奈川県=3対1。
医師の偏在に比べると、地域間格差は低い。
他の職種をみても医師ほどの偏在はない。
例えば薬剤師。
バンコクエリアでは、薬剤師一人当たりの人口が8,432人。
北東部ではこの数字が13,032人。
医師の場合、バンコクと北東部の比が8.5対1であったことを考えると、大きな差ではない。
先に紹介したtechnical-nurseでは、バンコクエリアがno1ではない。
(registered-nurseではバンコク対北東部=3対1)
こうしてみると、医療の中心的な役割を担う医師の偏在はタイでの大きな問題だといえる。
軽々しく論ずるべきではないが、医師の偏在といった要素をみると、医療水準の格差は相当大きいといえる。
先述したように、日本人なら病気になりそうな長距離バスにのってバンコクに患者が集まるというのも頷ける。