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医薬品流通事情-日本とタイ 22

公務員医療の医療費抑制策を続けます。

経済危機に端を発した抑制策(それまで野放しであったことに驚きますが)も残念ながら、限定的な効果しか上げられなかった。
1994年から2005年までのCSMBS(公務員医療)の医療費推移を掲げておく。

 年       million baht 対前年比
1994      9,954.00    
1995     11,155.94    12.1
1996     13,583.21    21.8
1997     15,502.90    14.1
1998     16,459.96     6.1
1999     16,041.78    ▲2.6
2000     17,057.56     6.3
2001     19,130.78    12.2
2002     20,476.32     7.0
2003     22,685.89    10.8
2004     26,043.12    14.8
2005     29,380.03    12.8


日本の医療費は最近では、1~3%の伸び率で推移している。
人口の高齢化を考えると、効率的な医療を行っているといえる。
ただ、かつて日本の医療費も最近のようなお淑やかなものでなかった時代がある。
極端な時期だが、例えば、昭和48年(1973)から昭和49年(1974)にかけて、石油ショックのあおりも受けたが、3.5兆円の国民医療費が5.3兆円、年率にすると30%超も伸びた。この時期、20%、18%、115%、9%といった伸び率だった。
国民経済が順調に伸びていくならば、医療費も社会の負担能力に比例して伸びていくというのは理の当然といえる。
低成長、あるいは安定成長といえる現在、医療費の伸びが概ね経済成長率と同様なテンポだというのは、社会の成熟を示している。
1970年代は医療費が経済成長のテンポを大きく超えて伸びてしまった時期だった。
経済との比較でいうと、昭和48年(1973)は、国民所得比4.1%、翌年1974年4.7%、1975年5.2%、1976年5.4%。
1980年には、6.0%に到達した。
どの程度医療費に分配すればよいのか、無論、理論値はない。
社会の富の分配も急激な変更があれば、いろんな意味で摩擦が生じ、調整せざるをえない。
現在、約500兆円のGDPに対し、約35兆円の医療費という構造。
医療費への分配は、概ね7%というのが結果としての国民的なコンセンサスといえよう。

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