医薬品流通事情-日本とタイ 26
各制度への加入者の状況は、次のとおり。
いくつかコメントする。
総体としてみると、日本の制度の分立と似たところがある。
NHSは国民健康保険、Social Securityは健康保険、Civil Servantに対するものは国家公務員共済、地方公務員共済、Veteran welfareは旧軍事恩給、Private teacher welfareは私学共済といったところ。
違いは、生活保護医療といったものはなく、救貧医療はNHSに組み入れられている。
おもしろいのはPolitician、政治家を特別の集団としてくくっていたこと。
日本でも、国会議員をやれば法外な年金がもらえる制度があった。
アジア的なのだろうか。
なお、上記の表の中で、軍人恩給的なものと私学共済は2005年までNHSの中にあったものが独立したものだ。
NHSは、十把一絡げ的にいきなり作ったもの。
日本でもよく行われている一元化論者からみると、タイの姿は、とにかくバサッと網をかけ、「わかりやすい」という意味では美しいのかもしれない。
結果として、タイの制度の各集団別の状況をみると、保険数理主義で行っているものがほとんどないということになる。