医薬品流通事情-日本とタイ 28
NHSのメニューを続けます。
2.診断料 (diagnosis fee)
3.母子保健 (check up and health promotion of the pregnant)
4.治療費 (medical fee)
・タイ伝統医療、代替医療(鍼、灸、漢方など)
・腎透析
・歯科
5.医薬品、医療材料、医療機器、人工臓器(pharmaceutical, medical supplies, medical device and artificial organ fee)
・医薬品については、タイ国必須医薬品リスト掲載のものを推奨
*治療ガイドラインに従い、リスト以外の医薬品が使用された場合、患者の負担はない。
・AIDS患者と感染者に対する抗ウィルス剤
6.分娩(child delivery)
・特別室の費用(special room fee)は含まない。
7.入院中の室料及び食事(room and food service during hospitalized)
・特別室の費用は含まない。
8.新生児看護(new born baby nursing)
9.患者の移送、救急搬送料 (transportation or ambulance fee for the patients)
・緊急時、医療機関間の移送に限る。
10.障害者の移送料(transportation fee for the disable)
・緊急時、医療機関間の移送に限る。
11.心身リハビリテーション(physical and mental rehabilitation)
12.その他NHSが必要と認めたもの
次の費用は含まれない。
1.不妊治療(infertility treatment)
2.人工授精(artificial insemination)
3.性転換(sex reassignment)
4.美容整形(beauty related treatment)
5.医学的なエヴィデンスのない、不必要な治療診断(unnecessary diagnosis and treatment or diagnosis and treatment without medical evidence)
6.試験的治療(treatment trial)
7.15日以上の治療を要する精神障害(mental disorder that need treatment More than 15days)
8.薬物乱用による処置(drug addiction treatment)
9.自動車事故によるもの(motor vehicle accident injury)
10.180日を超える処置。但し、入院患者であって合併症、難病といった継続的な
処置が必要なものや医学的なガイドラインに従って行われるものを除く。
(disease with ongoing treatment of more than 180 days as inpatients Except continuous treatment for complications or treatment with medical guideline)
11.臓器移植(organ transplant)
*上記のうち、7.、8.、9.は別の制度的な対応がある(とされている)
9.の自動車事故によるものに関しては、いわゆる自賠責の限度額を超えた場合、NHSを使うことができることとなっている。
長々とならべました。
いくつか、コメントします。
大きな区分けとして、アメリカ型のドクターフィーとホスピタルフィーといったものがあるかという問題。
ドクターフィーとは、医師に係る経費(診断及び治療)、ホスピタルフィーとはドクターフィー以外のもの。
ホスピタルフィーには、看護、事務、医療スタッフ、検査、医薬品などの費用が入る。
日本の診療報酬点数表では、できるだけ、この2分類を明らかにしていこうという方向性が感じられる。
上記の医療費分類に関しては、医療費の性質論といった観点からいうと、ランダムな羅列といってよい。
タイの医療費に関していつも感じられるのは、特に公的病院でのドンブリ感情的な予算配分といったことを背景に、費用計算の基準がないのではないかという点。
患者への費用請求に関するインタビューには、何回もアプローチして挫折している。
次回の研究員(2010年1月に着任する予定)には、費用請求基準について注力してやってもらおうと思っている。