医薬品流通事情-日本とタイ 46
最近、何人かの先輩、同僚、後輩と話をする機会がある。
そのたびに口にでるのは、「医薬品の世界、薬剤師の世界がこんなにひどいことになっているとはおもわなかった」ということ。
薬剤師の世界は別の機会に譲るとして、医薬品の世界にはもっとやるべきことがあるのではないかと思う。
先発品の分野では、一言でいえば、世界企業を育てるため、少なくとも、Mee-too企業は淘汰するべきだと思う。
外資系の企業に揶揄される「日本でしか売れない『新薬』」を育ててしまったという事実は動かしがたい。
日本の新薬開発メーカーが世界第3位の日本のマーケットで十分な利益をあげれば、それを原資として世界にでていくことができるのではないか。
現職の諸君と議論すると、日本に新薬メーカーは10もいりませんね、といった議論がかえってくる。
そのとおりだ。
世界市場で戦うための原資を沢山のMe-tooメーカーに分け与え、小成に安んずるという悪循環を繰り返してきた。
医療費のための保険料を漫然とこれら小成メーカーに配っただけではないか。
今からでも遅くない、原資は、将来への投資にキチンと振り向けられる企業と医師を始めとする医療人の人件費に振り分けてはどうか。
こうした議論は、理論として述べるのは簡単。
では、「将来への投資にキチンと振り向けられる企業」とは何か。
一応の目安はある。
新薬の開発過程で、第3コーナーからはいるといった企業はこれにあたらない。
第3コーナーから入るということ自体、新薬開発のオリジナリティーがない、と断言してよい。