医薬品流通事情-日本とタイ 62
モデルⅤ 輸入商と地元配送業者
輸入商と配送専門業者は新しいタイプのビジネスモデル。
モデルの図のように、国外のメーカーの商品を取り扱う。
前述のように、タイの特許法、GMPといった分野がテキトーであったため、チャントした規制が行われるまで、海賊のやりたい放題という状態だった。
こうしたことでは、海外の商品を輸入したり、海外の製品を導入するといったことがビジネスとして成立することはない。
新しいビジネスモデルといったのは、規制強化後、海賊の存立の余地がなく、誰かがキチンとしたライセンスの下に輸入、導入する必要が生まれたからだ。
だから、バイオ関係、ガンといった近年開発が続いている商品がまずは対象となる。
そのほか、ITテクノロジーの進歩により医療機器も次々に新商品がうまれていることから、これも対象になる。
そのほか、タイの都市部を中心に、健康関連、特に、栄養面での新商品も取り扱われる。
高価な商品もそうだ。
こうした商品の主たるチャンネルは、商品の性格から、病院。
多くの商品は、医師を主たるターゲットとして、MRビジネスの形で扱われる。
いくつかこうした会社を訪問した。
概ね、大手Multi医薬品企業のMRを経て、適切な商品を発見し、起業したというパターン。
当教室の研究員の出身元のチュラロンコン大学薬学部卒でMRを経て、年商5億円程度の会社というのが典型例(タイで5億円の年商というのは、かなりのもの、日本の感覚でいえば、5~10倍掛けていただければよいと思う)。