DPC 15
病院間のばらつきの例(1)
では、包括はどうなるのか。
入院・急性期・包括払い
・急性薬物中毒のため救命救急センターに搬送され、2日後退院となった場合
特定入院料 36,236点
(救命救急入院料等)
薬剤 100点
処置 250点
計 36,586点
このほかに入院時食事療養費が 3,840 円で医療費合計 369,700 円。
一般に、救急は病院にとって不採算部門だ。
胃がんの手術で30日入院が約158万円、救急入院2日が約37万円。
この費用が救急の労苦に見合ったものか、あるいは採算点なのか、みなさんはどう思われるだろうか。
入院・慢性期・包括払い
・肺炎の治療のため病院の療養病床に31日間入院した場合。
療養病棟入院基本料 37,820点(378,200 円 )
このほかに入院時食事療養費が 59,520 円、医療費合計 437,720 円。
この例をみると、先にあげた胃がんの場合との差がよくわかると思う。
特に、胃がんの例で、投薬・注射、手術・麻酔の項目は実際には膨大なリストだ。
この膨大であるはずの検査、投薬、注射、処置といった医療行為が一括にされ、こうした医療行為が何回行われようと、療養病棟入院基本料しか支払われない。
薬漬け、検査漬けにしたといわれる老人病院の忌まわしい記憶の反省といえる。
だが、診療側に倫理に欠ける所があれば、「放っておけばおくほど採算がとれる」という一部の批判もあることも記しておかねばならない(つい、肩に力がはいりました)。
中医協資料コメントはここで区切り。