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DPC 04

DPCについて


特定機能病院は、医療法で、次のように定義されている。
医療法第4条の2 病院であって、次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができる。

  1. 高度の医療を提供する能力を有すること。
  2. 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
  3. 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
  4. その診療科名中に、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働省令で定める診療科名を有すること。
  5. 厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること。
  6. ~7. 人員、施設、構造設備が厚生労働省令で定める要件に適合。

1~3は、いわゆる三位一体を条文の形でしめしたものだ。
4~7は、これを担保するためにどういう診療科、病床数などを持つべきかという視点のものだ。
診療科は10以上、病床数は400以上、来院患者の紹介率20%以上が「現在」の承認基準。余計なお世話だが、これらの数字は純粋に科学的に設定されていない。
例えば、紹介率20%の科学的根拠を示せといわれれば、関係者は絶句してしまうであろう。
特定機能病院として承認されているのは、大学病院本院(79病院)、国立がんセンター、国立循環器病センター、大阪府立成人病センター、合計で81施設。
大阪府立成人病センターは、2006年3月に承認を受けた。
この承認を巡っては、大学病院以外の高機能病院について、どのような考え方で特定機能病院とするかが議論となった。
制度の発足の経緯からは、教育、研修機能を併せて有するから、診療報酬面でも優遇するという措置がとられている。
教育、研修のための経費を社会保険の枠組みの中で負担するということは辛うじて認知されたといってよい(ただ、実際、自らの保険料が大学病院の教育、研修のための経費として支払われていることを知り、これでよいのだと自覚しているサラリーマンが何人いるだろうか)。
大学という看板があれば、三位一体ということで特定機能病院になる。であれば、他の高機能病院はどうなるのか。
一部で臨床研修の大学離れが進んでいる。教育はともかく、研修というなら、「うちの病院の方が遥かに機能している、というところはどうなるのか」という声にどう応えるのか。
社会保障審議会医療分科会ではこうしたことが議論され、「当分の間」、新たな承認を行わないとされている。

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