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DPC 05

DPCについて


次に、急性期、入院医療。
これは、後から出てくるが、「患者の病態が不安定な状態から、治療によりある程度安定した状態に至るまで」とされる。
日本語としてはわかるような気もする。
具体的にはどのように考えればよいのだろうか。
例えば、診療報酬点数表の「急性期加算」をみてみる。
病院が治療を行うのにどの程度の日数が急性なのか。

急性期入院加算という仕組み。
これは、紹介患者比率、平均在院日数、入院外来患者比率について一定の基準を満たせば、患者一人当たり、一日155点(1550円)余分にもらえる。患者の実態には関係ない加算であり、この加算があるかどうか医療機関の経営上、相当の違いがある。
単なる算数だが、1000床の病院での経済的効果は、次のようになる。
1,550 円 ×1,000 床 ×365 日=565,750,000 円
5億円を超える収入増だ。
診療報酬の変更は、医療費全体を単純にかさ上げするような形では行われない。上記の急性期入院加算ができる病院では収入増となるものの、これを取り入れることができない病院の診療報酬を削ることを同時に行う(ゼロサムゲームといえる)。

急性期加算を導入するためには、次の条件を満たさなければならなかった。
 1.紹介患者比率 100分の30以上
 2.患者の平均在院日数 17日以内
 3.外来患者比率 外来患者:入院患者=15:10

この制度導入当時、病院経営者の頭は、この3条件をどうやってクリアするかで一杯であったといわれる。億単位の収入が増えるか減るかという大問題だからだ。
どうやってもクリアできなければ、アリテイに言って老人患者中心の慢性期病院に転換するしかなかなくなる。

この加算は、14日が限度とされる。
診療報酬点数表上、14日が急性期というわけだ。
「診断群分類」、「一日当りの包括評価」については、後述する。

基本的には出来高であるはずの診療報酬体系が何故見直されることになったのか。

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