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DPC 10

診療報酬体系見直しの必要性の高まり(2)


診療報酬体系の性格

 1.保険診療の範囲・内容を定める(品目表としての性格)
 2.個々の診療行為の価格を定める(価格表としての性格)

薬科大学では、こうしたことについてキチンと教えない。
一般に診療報酬点数表といえば、価格表の側面が強調される。
よく考えてみると、全ての行為の価格を示せるわけがない。
であれば、どういう行為(診療)をやっていいのかという行動「規範」的な要素を含む。

先進医療という領域では、品目表も価格表も公定されない。
先進医療は、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の一つとされている。
なんとなくわかったような気がするものも、役所用語で書くと、ホントーにわからなくなる。

好むと好まざるとを問わず、「強制」的に加入させられる医療保険(社会保険)システムをとっている場合、医療費は基本的に保険料で賄われる。その場合、みんなで支払っている保険料で支払っていいと思われるものと、そうでないものとが区別されざるを得ない。
例えば、医療技術の発展段階初期とみられるものについて、「治るかどうかわからない」状態であれば、その治療費をみんなで負担することが躊躇される場合がある。こうしたものは、どのような形であれ、通常、保険の対象とすることは難しい。

保険の考え方では、ある程度「定型化」され、汎用性が認知されたものをカヴァーするという考え方をとらざるを得ない。
平たく言えば、「いつでも」、「どこでも」、「誰でも」ということ。
一定額の保険料を事前に徴収するということとなれば、支払われる医療費は基本的には徴収された保険料の範囲内という考え方をとる。

具体的には、例えば、現在、重粒子線治療が先進医療の対象となっているが、この初期段階では、保険の守備範囲にいれることは困難なものになる。

重粒子線治療について若干の説明が必要だろう。
重粒子線治療では、炭素イオン線という粒子線を照射して、ガン病巣をたたくという形となる。平たくいえば、メスのかわりに重粒子線を使うということだ。
メスを使わないということで次のようなメリットがある。
 ・痛みを伴わない。
 ・臓器の機能や体の形態の欠損が少ない。
 ・容姿、要望を損なわず、傷跡も残らない。
 ・高齢者にも適用できる。
 ・副作用が少ない。
 ・早期なら根治可能。
 ・Ⅹ線では治療困難な、深部がんにも適用できる。
 ・社会復帰までの期間が短い。
結構なことではないか。何故、先進医療などといわず、全面的に保険適用したらどうだ、という声もあろう。

重粒子線を出すためには、サイクロトロン(加速装置)という大型の装置が必要だ。
サイクロトロンの値段は、下がってきてはいるが、今の段階では通常の病院に装備できるほどの小型化が実現していない。
この治療法は、2003年11月から先進医療の適用対象となったが、一件当りの治療費が314万円というもの(治療費負担の原則については後述する)。

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