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DPC 13

診療報酬体系見直しの必要性の高まり(2)


戻ります。

3.医療サービスの提供促進

ここでは、「促進」が強調されている。
ネガティブな側面も当然ある。

療養病床をご存知であろう。
これは、かつては、老人病床のことだった。
昔話になってしまったが、慢性期の老人患者は、往時の病院にとっては、「ドル箱」だった。
診療報酬は、すべてが出来高払い。
慢性期の老人患者は、検査、投薬の大いなる対象だった。
長期間入院してくれるこれらの患者さんは、検査漬け、薬漬け医療の弊害も受けていた。

いわゆる「マルメ」=包括払いが導入されたのは、検査の分野が最も早い。
血液などの検査は、いまからは想像できないほど、一つ一つの検査が人手による手間のかかるものとして評価されていた。
血液を一滴とり、検査機器に入れれば多項目の検査が一挙にできてしまう(機械検査)になると、いわゆる検査屋さんは大もうけできた。

相変わらず余計なことをいうと、CT スキャナーの導入期、スキャナーでは色々なものが読み取れるので、「水虫」の検査も行ったこととする診療報酬請求があり、医療機関のモラルのあり方として問題になったことがあった。

ともあれ、検査漬け、薬漬けにすればよいということで、老人患者を中心とする病棟が雨後の筍のごとく増えた時期がある。
これなぞ、医療提供体制を大きく変えた出来事といってよい。
当時の厚生省は、慢性期、老人患者に対する医療をどうするかという問題に対し、マルメをもって報いた。
何度も繰り返された手法なのでご存知だろうが、初期のマルメの水準は下手に出来高をやるよりはマシという設定だっ た。
殆どの老人病院がマルメの世界に入った頃を見計らって、エイやと包括払いの金額をカットする。
あるいは、療養病床といった仕組みを新たに設ける。保健、福祉などの領域との調整を図るという趣旨で老人保健施設への転換を進めるといった手段をとる。

DPC もこうした囲い込み戦術の方法論がとられることはほぼ間違いないと考えられる。病院の関係者もお話を伺うたびに、「いつか来た道だけど、導入策にはいろいろな観点から逆らえない」といわれる。
日本の医療制度は、タテマエとしては、医療法などの法律によって、規定されるものだが、現実は、7対1問題などにみられるように、「点数表支配」の医療制度だといえる。
医療提供体制を診療報酬点数表によって誘導していくことは、法制度をいじるよりは、効率的、即効性がある。なにしろ、法律改正は、国会の議を経ることが必要なので時間、手間は「告示」(診療報酬は厚生労働省告示なので)を改める方が遥かに容易だ。
ただ、高度先進医療の稿でもいわせていただいたが、三位一体の大学病院医療を主として点数表だけで管理していくというのもどうかと思う。

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