DPC_Column_Pharmacoeconomics | 医薬品流通経済研究

医薬品流通経済研究

TOP I about us I contact I
印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |



All Rights Reserved,Copyright(c) 2009 Hiromichi Sumida

HOME > Column DPC > Column_DPC 19

DPC 19

病院間のばらつきの例(1)


適当に入院期間を区切り、一定の単位ごとにマルメの医療費を請求すれば、収入増になるという算術を働かせたのではないかという(悪意にみた場合ですが)疑いを晴らす必要がある。

こうした結果については、次のような指摘があるとされる。

  • 患者の退院の基準が明確にされることが大切であること
  • 現状では検査・手術等のやり方に病院によって違いがあり、どのような形が望ましいのかについて慎重な検討が必要であること
  • 各医療機関の所在する地域の特性についても検討が必要であること

定額制=標準治療手順という筆者の単純な理解では、これらの指摘は「わからない」。
治療手順が確立されていれば、退院基準は自ずから明らかになっているはず。
治療手順にバラツキがあるのであれば、定額制というのは何のために導入されたのか。
アメリカでクリニカルパスが広まったのは、「臨床例を集積すれば、標準的な治療手順が出てくるはずだ」、「標準的な治療手順が示されれば、例えば医療訴訟の場で、標準手順によらない場合、標準手順をとらないことにつき、挙証責任が課せられる」といった事情があったからだといわれている。
アメリカでは原則、民間医療保険による支払が行われていて、保険会社は標準治療手順といった考え方を好む(同じ手術で価格が大きく異なること自体、保険数理からいって容認し難いこと)。

平成18年の DPC 病院に関する調査では、次のように総括されている。
「平成18年度調査の結果においても、これまでの傾向である在院日数の平均の減少が続いており、その要因が、より在院日数の長い診断群分類に該当する患者の受け入れを増加させているにもかかわらず、診断群分類毎の在院日数の平均が減少することによる影響の方が大きいためである」

ページの先頭へ