DPC 20
包括評価制度について
資料の5ページに戻ります。
「包括評価制度について」の項
2つ掲げられている。
・包括評価制度には、効率化を図る強いインセンティブが存在。
・しかし、あまりに大雑把な包括では、医療の質に問題が生じる恐れ。
―包括評価の単位(効率化を図る単位)を適切に設定することが重要。
→ 診断群分類に基づく包括評価制度
こういうふうに提示されると、なるほどと思う?
マルメの方法論として、診断群が適切であるという。
究極のマルメは、戦前の医師会分配方式。
現在では、イギリスのNHSが典型だ。
正確にいうと、National Health Service。
理念は、崇高だ。
「イギリスに住む全ての人は誰であれ、収入の多寡、年齢、国籍、居住する地域に関係なく、必要な医療サービスを享受できなければならない」
第二次大戦の目途がつく頃、既に、「戦後」の社会を見据えた社会保障に関するレポートが出される国。底力は凄いと思う。
NHSサービスの発足は、1948年。
基本的には、患者の自己負担なし、財源は税金方式。
この制度の前は、イギリスでも、医療は贅沢財だった。
では、医療機関の収入はどうなるのか。
開業医の場合、かかりつけ医に人頭払いで報酬が支払われる(日本の健康保険制度初期、医師会による分配方式に似ている)。
公立病院の場合、予算主義で費用が各病院に分配される。
このような方式の場合、お役所の文章にあるように、「あまりに大雑把な包括」ということができる。
イギリスに住んだことがある人ならご存知だと思われるが、医療サービスをいけるためには、waiting-list といわれるように、「待機期間」が途方もなく長い。
北欧でも同種のシステムをとっているところでは、似たような事情がある。
乱暴ですが、医者も公務員になれば、働かない?
沢山治療をしても、給料は変わらないということになれば、「易きに流れる」。
というわけで、待ちたくなければ、民間医療機関へということになる。
その代表的なものがハーレー街だ。
世界中の名医が集まるともいわれる。
勿論、自由診療、NHSの外の世界。
権威に診てもらうと、診察だけで1時間10万円。
Waiting-listとは無関係で、お金さえあれば、即。
こうした自由診療の街を育てたのがNHSであるともいわれる。