DPC 21
包括評価制度について
別の角度からの議論。
ドクターズフィーとホスピタルフィーという分類がある。
医師個人の診療行為と密接に関係する費用と病院施設を利用するという側面に着目した費用だ。
診療群分類というマルメ方は、この2つの要素を混ぜ合わせ、一定の区分をおこなったものともいえる。
DPCとよく対比されるのは、DRG(Diagnosis Related Group)。
日本語に直すと、診断別関連群。治療についていろいろな医療機関からデータを集め、標準的なものを見つけ出すこと(グ ルーピング)。
国際疾病分類(ICD9)によると、疾病の数は約1万ある。DRGは、疾病ごとに標準的なものを定めたものではなく、治療に要した医療資源(医師、看護師などの人的資源、医薬品や治療材料などの物的資源、治療あるいは入院日数といった時間コスト)について、「必要度」を物差しとして、500程度の診断群にまとめたものだ。
同一疾病でも、疾患の程度(合併症の有無、年齢)によってグルーピングできないとされれば、診断群としては別のグループに分類される。
費やした医療資源が基準なので、「コスト」分類だといえる。
DRGと並べて使われるものとしてPPS(Prospective Payment System)がある。
厳密には、DRGと必ずリンクするものではなく、包括払いの考え方を示すものだ。
アメリカでは、DRG-PPSとして、DRGにより分類されたコストに対し、一定額の包括払いを行うという形で用いられている。
これは、DPCとどこが違うのかと思われるだろう。
極めてよく似ているが、アメリカでの適用例と比較すると「似て非なるもの」といえる。
アメリカでメディケアに用いられる場合、いわゆるホスピタルフィーに対する包括払いがその内容となる。
日本のDPCの場合、医師の人件費が必ず関連しているのでドクターフィーも包括払いの対象となる。