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ジェネリック医薬品の価格 07

R&D。

当然のことながら、大きな差がある。
それだけで思考停止になってはいけない。
いきなりだが、正しい問題設定は、「GEに何故R&Dが必要なのか」。

一部のGEメーカーの中には、これを極めて軽視しているところがある。
徒にコストをかけるべきではないが、この費用は、先発メーカーとは異なった意味でマストなのだ。

機会があれば、学生に5分間エッセイで書いてもらいたい問題。

ジェネリック医薬品を作る場合、仮に、先発メーカーと同じものを作ればよいとした場合、これにもR&Dは必要なのか。
先発メーカーと同じ原末を仕入れ、添加物なども全く同様の局方品といった形を想定してみるといい。
これでもR&Dは必要ですか?

あなたなら、どう答えますか。

答えはYES。

何故なら、少なくとも全く同様であることのエヴィデンスを用意し、これを開示する必要があるからだ。

実際のジェネリック医薬品は、原末の仕入れといった段階では問題はあまり起こらないが、剤形、賦型剤などの添加物といったところで先発メーカーは特許の網を作って防御しており、これを「クグル」のはそんなに容易な話ではない。

単純なモノマネモデルでも研究開発は必要。
現実の開発段階では、極めて重要になる。

兎に角作って市場に出せば式のGEメーカーが散見されるが、こうした企業はとっとと退場していただきたい。
少なくとも、GEメーカーなりのしっかりとしたエヴィデンスを用意し、これをいつでも開示できなければならない。
企業の開発関係者であれば、こうしたエヴィデンスが開示されれば、自他の比較は容易であり、こうした切磋琢磨のうちに市場が整理されていくことが望ましいと思う。
作れば売れる、売れれば儲かるからやっているという企業はこうしたことを軽視する。(これの症状の重いのは、医薬品は科学的裏づけをもって製造販売すべきであることを知らないというもの。残念ながら、自覚症状のないと思える向きは多い。)


これを書いているとき、ある識者から次のような文が送られてきた。

  • 「薬価に占める販売管理費の割合がR&D費よりも大きいのが製薬メーカーの特徴であり、これは世界的にも共通である。販売管理費の大部分がいわゆるMR活動にあてられているが、同等の活動を求めるとGEは高くなってしまう。では、『新薬メーカーと同等の情報提供活動』とやらがGEの情報提供に本当に必要なのかを医療従事者は考える必要がある。医療従事者がGEにも「高度な情報提供」を求めるので、結果的にコスト倒れし、GEメーカーが高薬価を要求するという矛盾につながっている(要するに薬剤師の意味不明の甘えである)」

激しい。

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