ジェネリック医薬品の価格 11
画期性加算。
おそらく、英語で言えば、originality。
・全く新しい着想、
・明らかに高い有効性、安全性、
・疾患治療への貢献度が高い、
というのがその内容。
近年のバイオ医薬品を考えれば、アタリマエのことで、バイオ医薬品の場合、そもそも化学構造の類似性という概念自体の適用が難しい。
* 血友病の凝固因子製剤などの分子モデルをみると、化学合成医薬品の象徴のベンゼン環の分子モデルとは全く別の世界に属するものだと思わせられる。
有用性加算。
このカテゴリーは、originalityとは別。
既存品に比べて、「有効性」、「安全性」、「医療上の有用性」が明らかに高いことが条件。
ゾロ新と同様の議論だが、新薬とはそもそもこのカテゴリーにあるものをいうのではないか。
既存品に比べて上記の3要素が明らかに高くなくても「新薬」と認めることそのものがおかしい。
市場性加算
このカテゴリーは、主としてオーファン医薬品などの市場規模が小さいものを想定している。
糖尿病患者は潜在を入れると1000万人。
であれば、製薬企業は、新薬開発に血眼になる。
当たれば大きい。
別の稿でも触れたように血友病患者5000人ということでは、開発コストをどう回収するかという問題が重要。
開発意欲を促すためには、成功の暁には高い薬価が待っているという仕組みをとることが必要になる。
類似薬効方式とは別の考え方としては、原価計算方式がある。
類似薬効方式をとれなければそうなる。
日本の場合、いわゆるドラッグラグがある。
これがどういうわけか問題を複雑にしている。
画期的な新薬の場合、導入時期が世界的に同時であると仮定すると、類似品がない以上、日本の公定薬価をきめるなら、原価計算方式をとらざるを得ない。
厚生労働省と製薬メーカーは、基本的に原価計算方式で交渉する。
日本への導入時期が世界で最も早ければ、この交渉結果が世界の医薬品市場に影響を与えるといった構図もありうる。