ジェネリック編 03
ジェネリックって何?
薬科大学の学生に尋ねる。
驚くべきことに、教室の半分くらいの学生しか、手を上げない。
質問は、「ジェネッリクという言葉を聴いたことがあるか」。
大洋薬品、沢井製薬、東和薬品などの大手ジェネリックメーカーが、比較的露出度の高いタレントさんを使ったテレビCM を流している。
大手4社のうち、日医工だけがジェネリック CM を流していない。
この会社の幹部に伺うと、何のために、誰に向かってこうした CM をするのか、意味がわからないとのこと。
近ごろの学生は、地上波の番組を見ないのか。
少なくとも、若い学生さんには、あまり効き目のない CM ということになる。
製薬企業の専門家を招き、期末の小論文の課題として出題してみた。
「ジェネリック医薬品について臨床試験が不要な理由を述べよ」というもの。
小論文を出すと、いわゆるネットパクリが横行する。
講義を聴いていれば、簡単な課題であるにもかかわらず。
ウェブサイト上で、ジェネリックと検索した場合、かなりの数のジェネリック批判に遭遇する。
1980年代のアメリカでは、ジェネリックの台頭を押さえ込もうとして、先発品メーカーからのネガティヴキャンペーンが行われた。
先発品では、臨床試験が行われているにもかかわらず、後発品(ジェネリック)では、必要な試験がおこなわれていない。
安物、粗悪品のイメージを高めるために、巧妙な宣伝活動が行われた。
ウェブサイトの世界では、意識してかどうかは定かではないが、ネガティヴ論文のヒット率が高い。
学生さんは、講義資料とは全く異なるネットパクリの文章を提出する。
小学生の作文かと見紛うような別文の隣に、オトナの手になる文章が並んでいると、パクリましたねと思う。
臨床試験を行っていないから、ジェネリック医薬品は信用できなのだ、という目を疑うようなお答えまである。
ネットに掲載されているから、正論なのだと早とちりなさっているのかも知らない。