ジェネリック編 05
チャーリーとチョコレート工場
製薬工場というと、一見、化学合成の薬では、合成特有の刺激臭がある化学反応過程をこなしているというイメージがある。
日本の製薬工場の場合、化学合成の過程を殆ど終えた物質を前提として操業されている。
外国メーカーの一部からは、日本の製薬工場は、原末を海外に依存した、「打錠工場」といった陰口が聞こえてくる。
打錠だけなら、極論すれば、チョコレートの成型とあまり変わらないではないかともいえる。
余談だが、ラムネ(という口の中でジュワーと溶けるお菓子がありますね)の打錠成型機械は、殆どそのまま、薬にも使えてしまう。その上、製薬業に売りつけると値段が跳ね上ってしまうらしい(某製薬企業の幹部の話)。
原末依存は、新薬の場合、コストをあまり厳密に議論する必要はないかもしれないが、ジェネリックの場合、100%の原末海外依存は、コスト管理という面からみて、相当脆弱ではないかと考えられる。
脆弱(ゼイジャクと読みます。キジャクと読みたくなるでしょうが)。
日本のジェネリックの場合、韓国や中国の原末(原料)会社が日本向けにパテント切れの様子を見ながら開発したものを買うというケースが多い。
ジェネリック企業も製薬業界の「常識」に生きている。
タケダさんがやっていることが常識的かつ業界らしい生き方、ライフスタイルという誤解が蔓延しているといってよい。
タケダさんが原末を買って、打錠をやっている。
表面的には、それだけ。
先発品メーカーは、ノウハウで生きるもの。
生産効率は、軽視はしないものの、優先順位としては低い。
ジェネリックメーカーの場合、原末を輸入のみに頼り、価格の決定権がない。
ジェネリックとしては、脆弱この上ない基盤。
ともあれ、新薬の開発は、途方もなく費用がかかる。
ジェネリックは、この初期投資がいらない。
が故に「安い」のであり、「安い」ことが、消費者、患者のために目指さねばならないことだ。