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ジェネリック編 13

GPHA

バイオジェネリックという分野がある。
バイオ医薬品とは、生物由来の医薬品のこと。
例えば、インシュリンは典型的なバイオ医薬品だが、ferment(発酵)過程を経て得られるもの。
インシュリンは、初期、豚のそれが用いられていたことは既に記憶の彼方となっているが、現在のインシュリンは、発酵過程を人為的に操作して製造されている。
このこと自体が特許なのだが、これの特許切れ後の取扱いが問題となっている。
ヨーロッパでは、こうしたバイオ医薬品にも後発品という考え方が成立するとし、既にバイオジェネリック医薬品が市場に出ている。

これがアメリカで問題となった。
インシュリンの大手企業が猛烈なロビー活動を行い、生物由来の医薬品のジェネリック化を阻止する動きに出た。
その際、GPHA(アメリカジェネリック医薬品協会)は次のようなステートメントを出した。
「1984年、ブランド(先発品)企業は、ジェネリック(後発品)は新薬開発(innovation)の息の根を止めると主張した。
そんなことは起こらなかった。人々の健康が危険にさらされるとも言った。それも起こらなかった。高齢者や貧困な人々が害されるとも言った。これも起こらなかった。
今や、半数以上のアメリカ人が安全、効果的、適切なジェネリック医薬品の処方を受けている。
1984年に玩んだ脅迫カードは無意味だったし、2007年に同じことをしても仕方が無い。
ブランド企業は、自分たちの独占状態を守りたいのだ。
我々ジェネリック企業は、消費者の利便のため、市場での競争を維持し、新薬開発への健全な刺激を求めているのだ。」(訳:筆者)

念のため、原文。
In 1984, brand companies said that generics would stifle innovation. It didn't happen. They said public health would be jeopardized. It didn' t happen. They said the elderly and poor would be harmed. It didn' t happen. In fact, more than half of Americans are now filling their prescriptions with safe, effective and affordable generics.
Playing the scare card didn't work in 1984 and it won't work in 2007. Brand companies simply want to protect their monopolies. we need competition in the marketplace to increase consumer access and foster incentives for innovation.

アメリカのジェネリック企業は、ここ20年、ブランド企業の脅迫カードと戦い続け、数量ベースでマーケットの半分を占めるに至った。

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