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2010/02/02

博白 06

「2011年(はじめて6年制の学生が卒業する年)における薬剤師の就業可能性について述べよ」と問われて、学生さんはどう答えたか。

この学期から、授業内容を変えたため、学生さんは全く事前準備ができない状態。
これからご紹介するものは、化粧でいえば、スッピン状態といえる。

まず、マシなものから。

「就業可能性は悪くなるとおもう。卒業生が今までは7000人だったのが、14000人になるのだから薬剤師過剰時代になると思う。よって、これからは本当に能力のある薬剤師は就業できるが、能力のない薬剤師は就業が難しくなると思う。登録販売者というライバルもいるから大変。」

冷静ですな。

こういう冷静かつ客観的なものの見方をする学生は約90人の中で、7人。
5点加算を献上いたしました。
これらの小エッセイの要点をご紹介する。

「就業可能性は少ないと思います。しかし、地方では薬剤師は必要とされると思います。」
論拠を深く尋ねてみたくなります。

「2年間採用が無くても余剰の方が多いと思います。」
近ごろは、不況のせいで、離職率が下がり、しがみつき症候群などといわれる時代。
この学生の予想よりも、余剰が多くなければいいのですが。

「ドラッグストアで薬剤師が必要なのは第1種のみとなり、――――、新しい資格を持つ人が参入、――薬剤師として行える仕事は格段に減少した」
少なくとも、新聞は読んでいるようです。

「6年制になって自分が入学した当初は、2年間卒業生がでないことから6年制1年目の就業率は高いだろうと思っていた。――(しかし)今では、薬剤師の需要は多くないだろうと思うようになった。」
この人は企業関係者の話を聞いたとのこと。
内にこもりがちな薬科大学の学生としては、開かれた人物ではないか。

「今でさえ薬剤師は飽和状態であるのに、これから、年が経つごとに、また新しい薬剤師は、どんどん卒業していくために、社会は薬剤師を多くは必要としていない」
文部科学省、大学政策担当者の頭の中を疑っているかのような主張。
2ちゃん用語でいえば、「激しく同意」と思う方もいるのでは。

「しかし、6年間という、今までより2年間も長く教育を受けた者として、求められるものが大きいと思う。」
学生さんの教育に携わるものとして充実した中味をもって卒業してもらわねばならないと思う。

次回は、大多数を占めるノー天気ともいえるエッセイをご紹介します。

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