2010/02/23
博白 13
流通過程ではどうだろうか。
大手の医薬品卸業の方々に聞いて見た。
「専用の保冷車があります。」とのこと。
別の言葉でいえば、大量処理のルートに乗らず、余計なコストがかかります、ということらしい(筆者の翻訳であり、余計云々は当事者の方々は洩らしてはいません)。
医薬品の一般論として、いつも不思議に思うのは、患者さんの手に渡るまでは、「厳格」な管理が行われているにもかかわらず、いったん、患者さんの手許にいくと、そうでもないといった事例が散見されること。
血友病の医薬品では、流通過程で、極めて厳重な温度管理が行われている。
何が、「厳密か」というと、輸送過程での温度ログ(記録データ)が必要とされること。
そのため、専用の輸送車が必要という結論となる。
この議論をblack-catさんの会社でやってみた。
「専用」などということは論外。
保冷車は山のようにあるが、温度ログはとれない。
で、どうするか。
最近のIT技術の進歩は著しく、カード1枚で温度ログができるというsolutionが見つかった。
定温保持ということには自信があるので、カード1枚を入れれば記録できるということなら、容易いことという結論。
この議論は面白い。
ローテク時代は、かなりの大装置が必要であったことも、ちょっとした技術進歩で大装置自体がいらなくなる。
卸さんの「専用」車は、今となっては、あまりに高額な投資という結果。
この高額な特別な投資に代表されるように、オーファン医薬品は、場合によってはかなりの高コストなものとなる。
というわけで、特別な扱いを要する医薬品は、流通過程でも、あまり歓迎されない。
特に、近時、薬価差益が縮小傾向で、卸さんにとって、血友病医薬品のようなアイテムは歓迎できるものではなくなった。