2010/02/24
博白 14
メーカーにとってはどうか。
日本の医薬品メーカーは、歴史的に、なんでも増えればよい、という営業方針。
MRさんのメンタリティーは、どの薬であれ、採用病院なり、採用医師なりが増えればよいというもの。
確かに、潜在患者を含めると1000万人ともいわれる糖尿病などの医薬品は、「とにかく売りまくれ」ということでビジネスは成り立つ。
これに反し、血友病のように患者数自体が限られてくると、「あそこの病院でも採用してくれました」というのは手柄話ではない。
血友病では、患者数5000人、血友病関連医薬品採用医療機関1000箇所という状況。
医薬品の流通コストという面からみると、恐ろしく非効率。
某企業の担当者の方の述懐。
- 緊急の場合、卸さんの手を経るという時間がない。結局、東京本社から、(例えば)北海道に直接持参ということもある。それで、現地に着くと、「代替のもので済ませた。」ということもある。
- 出張経費などからみて、こうしたケースが重なると、明らかに収益上の問題となる。
ビジネスの側面では、明らかに不合理なのに、何故、1000箇所もの医療機関が関係してくるのか。
一部には、採用医療機関が増えれば手柄になるという「古い」体質に起因するものもあるかもしれない。
他の疾患はともかく、ノボ、バイエル、バクスターといった合理性を重んじる企業が関与していることを考えると、明らかに、他に原因がある。
患者サイドから考えてみる。
筆者の家族が極めて稀なケースに該当したときに、痛切に思ったことは、「最高の専門医さんのところで受療させたい」ということ。
こうしたことから考えると、患者さんが好き好んで受療医療機関を増やしているわけではない。
どうして、5000人の患者さんが1000もの医療機関で受療するのでしょうか?
以下、次回。