2010/02/26
博白 16
血友病の歴史。
初期は、当然のことだが、出血すれば輸血という手段のほかには対処方法がなかった。
エッセンスだけを語れば、血液が凝固しないという状態をどう改善していくかが血友病治療薬の歴史。
途中、血液製剤であるが故に、HIVという悔やまれる過程があった。
現在はどういう段階なのだろうか。
九州の病院でお医者さんや看護師さんたちと議論していたとき、ある看護師さんがふと洩らされた。
「そうか、今は血友病の歴史の中で、はじめて安定期的な対処が可能になったんですね。」
血友病の比較的初期から携わってきた方の言葉は重い。
不幸な経緯を含め、血友病にはいくつかのステージがあった。
(各ステージを適切に語るだけの十分な理解がなく、こうした曖昧な言い方になることをお許しいただきたい。)
上述の看護師さんの「テンワヤンワの時代もあったんですよ。」という言葉で、現在の状態がいかに安定期かが窺える。
筆者は、新参者で、知見も浅い。
ではあるけれども、ここ数年のかかわりの中で、状況の変化を踏まえたそれなりの対応があるのではないかと思っている。
テンヤワンヤの時代から、安定期といえるような時代になったのであれば、それなりのストラクチャーを考えても良い時期なのではないだろうか。
率直にいって、これまでの歴史の中で、ようやく、血友病に関係するシステム全体を見渡して、どうやったらよりよくしていけるのかという問題を冷静に考えられるようになったのではなかろうか。
抽象的でわからんよ、という向きもあるかと思います。
次回以降、こんなふうにしてみてはという試論をしてみます。