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2010/03/08

博白 17

筆者自身の頭の整理でもあるので、タダでさえアトランダムなのに(支離滅裂が適切という声も聞こえたような気がする)、わかりにくくなることを承知でいろいろ書かせていただきます。

少し前までの門外漢としては、まず、投薬のための通院はおかしいと思う。

(役所の1年生の頃、「おかしい、おかしい」などといってみて、「そんなにおかしければ、おまえだけの力で変えてみろよ。」といわれたことがある。三つ子とはいいませんが、爺になっても変わらないものですな。)

数十年前の血友病治療では、治療上の必要で、患者さんは、専門のお医者さんがいる病院の近くに住んでいた。
現在でも、成長期の患者さんの場合、病院の近くに住まざるを得ない。

血友病治療が進歩し、成人になると、症状が安定する。
そうすると、専門のお医者さんによる診療は年に数回でよい。
それ以外は、住まい近くの処方箋を出してもらえる医療機関を探し、通院するということになる。
こうした通院は、投薬のための通院。

アメリカやイギリスではこうしたことは起こらない。

なぜか。

アメリカの場合。
refill、宅配、民間保険がその答。
(こういう書き方をせず、サッサと書け、ですか。)

まず、refill。
慢性疾患(糖尿病、高血圧など)の場合、毎回医師の診察を受けることなく、最長で2年間、薬剤師の責任で医薬品を提供するというもの。
別の言葉でいえば、処方箋を繰り返し利用することができる仕組みともいえる。

次に、宅配。
アメリカの処方箋は、基本的には、電子的なもの。
個人薬局で実見したが、病院などからon-lineでパソコン上に表示される。
処方箋には、疾病名はない。
この処方箋の関連情報として疾病名を確認することができる。
(例外的にファクシミリの場合もあるようだが、稀なものだという。)
refillの場合、薬局は、医薬品を患者宅あてに郵送できる。

民間保険。
保険収支上、無駄な経費は認めない。
仮に、投薬のための通院があるとすれば、その診療行為は保険収支上合理的なものと認められない。
患者サイドも無用な通院で保険料負担が増えることを嫌う。
(リスク、実績に従い、保険料は変動する。比較的高齢で喘息の持病を持ち、肥満気味のある患者さんとお話しの中で、月2000ドルの保険料を払っているといわれ、一同絶句したことがある。)
また、適切に医薬品を摂取することも確認する。
病状悪化が保険会社にとっての支出増加につながるという論理。
血友病の場合、患者マネジメントは重要で、ケアマネージャーは必須の存在。

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