2010/03/09
博白 18
イギリスの場合。
今年1月、ロンドンで、ノボルティスファーマの責任者とお会いする機会があった。
結構な時間お相手願いました。
(デンマークの方とtypical-english-restaurantで食事をするという筆者にとっては変わったセッティングの中で。)
この稿との関連では、「イギリスでは50人の専門医だけが、血友病の処方箋を出すことができる。」ということに尽きる。
NHS(Nationl Healthcare Service)という国営医療では、血友病センターという結節点はないが、事実上50のセンター的なものが設けられているといってよい。
こうした事実をみて、血友病患者でもある某ドクターが洩らされたのは、「こうした高額な医療費を社会全体に支えてもらっているということを考えると、受療にもある程度の節度が設けられても良い。」
北海油田という神風が吹く前は、イギリスのNHSは青息吐息どころではない状況だった。現在、国家財政は潤沢とはいえないが、日本より遥かにマシな状態。
血友病患者は大事にされているが、それなりの節度の中で行動してくださいということになっている。
ちなみに、血友病関連医薬品の使用状況をみると、ノボルティスのものが7割を占めているとのこと。
(この会社の医薬品が必ずしも低廉なものではないことを考えると、NHSといえども、必要ならば、ちゃんとそれなりの医薬品を使用できるといえるのではないか。)
アメリカでは、上述のほかに、血友病センターという仕組みも設けている。
アメリカ、イギリスのこうした状況をみると、単に、医薬品の流通過程という視点からみても、治療のコアに医療資源を集中したいという意図がはっきりと見て取れる。