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流通再編 08

黒船襲来

「外圧」といわれる。
よく見てみると、黒船以来、外圧とはアメリカからの圧力のことだ。
外国のビジネスマンと話しをすると、gaiatsuをそのまま言って、通じてしまうことがある。
ちなみに、昨年、世界ジェネリックメーカー連合の大会で、プレゼンテーションで、この言葉が入ったスライドを出したところ、かなりの方がニンマリとしていた。
医薬品の世界でも、医薬品に関する日米構造協議が行われ、医薬品市場の大幅開放の圧力がかかったことがあった。
この後、1981年の薬価改定が起こる。
国が定める医薬品の値段(=薬価)が大幅にカットされた。
18.6%。
医薬品業界というのは不思議だなと思うのは、2割も商品の値段が落ちて、メーカー、卸など関係者の中で、1社といえども倒産がなかったことだ。
不思議ついでだが、ある製薬メーカーに銀行から役員として経営に与った方の話もそうだ。
初めて取締役会での報告。
薬価担当者が類似薬の中で「最高の価格となりました」という報告を誇らしげに語ったこと。
その方は、他の業種でメーカー担当をされていたが、
「どこの業界で、わが社の製品が最高値です」と胸をはるだろうか、といわれた。
商品の内容が同じなら、普通の業界では、「安い順番から売れる」
医薬品の場合、「高い順番から売れる」
取締役会で、逆立ちしたくなったらしい。
そういう意味では、逆立ちのビジネスモデルだ。
1981年、このモデルが変わった。
倒産こそしなかったものの、薬の販売マージンを確保するため、医療機関からの強烈な値下げ要求が来た。
もう、メーカーの代理店としてそれまでどおりのノホホンとした商売は続けられない。
結果、利幅が減り、零細規模の経営に限界が来た。

これが第2次流通革命。
卸は、医療機関側の代弁者であることを求められ、経営基盤を強化するため、「再編」が起こった。

この当時のことについて、記録を探してみた。
当事者の記録は全くない。
経営戦略的な説明が特にない。

2000年を境として、次の再編があったが、株主レポートを除けば、業界全体としての当事者レビューが未だにない。

社史というどちらかといえばヒマダネに属する形でいつか語られるのだろうか。

これを学問の対象としたい当方としては、ご迷惑だろうが、現在進行中の出来事を語っていただければと思う。

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