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流通再編 09

プレーヤーは4人

かつて1600人がいたフィールドに今、4人しかプレーヤーがいない。
という以上、どこかの地域だけ強いだの、特定のメーカーの薬しか配らないとか、開業医中心といった特殊性が持てなくなった。
医薬品の卸売りということでは、いやでも「普遍性」が無くてはならない存在に変わってしまった。
これが、第3次医薬品流通革命。
各企業ともに、それぞれの株主様にご納得いただくことも重要だが、広い意味でのステークホルダーである社会、国民に企業のあり方について十分な説明が必要ではないか。
未だに、医薬品卸業連合会の年間活動目標として、過去のマージン率への復帰が掲げられているようでは、折角の流通コストカットの努力が理解されないと思う。

1983年、いわゆるマージン(売り上げに対する利益率)が14%近くあったものが、ここ数年8%を切っている。
企業活動の中の経費(販売管理費)を6%も削減した。
どういおうと大努力だ。
努力の中味にはいろいろあると思われるが、最も簡単にわかるのは、MS(Medikal Marketing Specialist=医療営業)の数。
4大グループへの集約の過程で、重複排除を行うといったことで、例えば、1998年の3万2000人が10年もたたない2006年には、2万1000人に減った。
約1万人この業界から去った。
同時に、1万人の人件費が減った。
人事担当であった方にはわかるだろうが、これは大変なこと。

医薬品卸業を単なる医薬品の配達業だとすると、現在の8%弱ですら、相当高い。
日常品の場合、物の配送ということだけみると、2%以下のコスト。
アメリカの医薬品卸業の場合、4%。

単純な数字の比較だけだが、せめて、アメリカ+アルファの5%くらいにはならないものか。
医薬品の市場規模が約8兆円。
8%→5%の3%ダウンで、国民経済として、2400億円の合理化効果が得られる。

こうしてみてくると、かつての「売上高主義」はもはや通用しないということも理解できる。
売り上げは減っても、利益率で勝負する必要がある。
業界内で語られているように、単なる医薬品配送業でなく、医薬品に関わる情報産業への変身も必要だろう。

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